カスタマーハラスメント対応ガイドライン
オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはじめとする観光地の面的受入環境整備促進事業 事務局
(発行日:2026年9月)
第1章 目的・背景
本ガイドラインは、オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはじめとする観光地の面的受入環境整備促進事業における事務局業務を円滑かつ公正に運営し、利用者および従業員の双方が安心して関わることのできる環境を維持することを目的とします。
近年、行政系支援事業においても、制度・手続きの複雑化や経済的背景の変化に伴い、事務局職員に対する過度な要求や暴言などの「カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)」が社会問題化しています。
本事業は国費を原資とした公的支援制度であり、すべての対応は公平・中立であることが求められます。そのため、職員や委託先スタッフが不当な要求や威圧的言動に萎縮することなく、制度本来の趣旨に則り適正に業務を遂行できるよう、本ガイドラインを策定しました。
第2章 本ガイドラインの適用範囲
本ガイドラインは、以下の者に適用されます。
- 1. オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはじめとする観光地の面的受入環境整備促進事業事務局の職員および委託業者の従業員
- 2. 本事業の申請者、補助事業者、代理申請者、一般利用者からの問い合わせ・要望・苦情対応に従事するすべての者
- 3. これらの者と直接・間接に関係を持つ外部関係者(事業者、関係団体、自治体職員など)
第3章 カスタマーハラスメントの定義
カスタマーハラスメントとは、利用者や関係者が、業務に関連して行う著しい迷惑行為であり、職員や委託スタッフの心身の健康・就業環境・人格的尊厳を害する行為をいいます。
カスハラに該当する3要素
- 1. 業務に関連する場面で行われたものであること
- 2. 社会通念上、著しく不当な言動・要求であること
- 3. 従業員の就業環境や心身の健康、人としての尊厳を害すること
第4章 類型別カスタマーハラスメント行為
代表的なカスハラ行為は以下の通りです。
- ① 時間拘束:同じ話を繰り返して長時間拘束する、要件終了後も通話を切らせない等
- ② リピート要求:回答済内容を繰り返し問い合わせる、複数窓口で同内容を繰り返す等
- ③ 暴言・怒声:侮辱・人格否定・差別的発言・怒鳴り声・威圧的言動等
- ④ 威嚇・脅迫:危害を加える発言、反社会勢力との関係をほのめかす等
- ⑤ 執拗な責め立て:言葉尻を捉えた指摘、些細な誤りを繰り返し非難する等
- ⑥ SNS投稿:個人情報や対応内容を晒す、誹謗中傷を投稿する等
- ⑦ セクハラ:性的発言、容姿や性別に関する不適切なコメント、誘い等
- ⑧ 過度な補償要求:根拠のない返金・補償を要求、不可能な対応を迫る等
第5章 事務局の基本姿勢と対応方針
(1)利用者との信頼関係の重視
事務局は、すべての利用者に対し誠実かつ公平に対応します。正当な要望や制度上の疑問には丁寧な説明を尽くし、理解を得る努力を行います。
(2)公平性・透明性の確保
本事業は公的制度であり、全ての判断は同一基準に基づいて行われます。記録の保存、対応経緯の明確化、特定事業者への特別扱いを行わないことを原則とします。
(3)従業員の尊厳と安全の確保
カスハラ行為は従業員の心身に大きな負担を与え、業務全体に悪影響を及ぼします。事務局は従業員を守る責任を負い、不当な言動や脅迫的要求に対しては上長・法務部門・外部弁護士と連携し、速やかに対応します。
(4)カスタマーハラスメント発生時の対応フロー
第1段階:注意・是正のお願い
- 「恐れ入りますが、落ち着いたご説明をお願いいたします」等の注意喚起を行い、冷静な対応をお願いする。
- それでも改善が見られない場合、次の段階に移行します。
第2段階:対応の一時停止・打ち切り
- 10分以上怒鳴り続けた場合、または3回注意しても改善が見られない場合は、通話を終了します。
- 電話応対を終了し、以降は文書またはメール対応に切り替えます。
- 「これ以上の対応はできません」と明確に伝え、記録を残します。
第3段階:警察・弁護士・関係機関への連携
- 脅迫ワード(「殺す」「晒す」「報復する」等)が発言された場合は、即時に対応を終了し、上長報告の上で警察・弁護士へ相談します。
- 必要に応じて関係省庁(観光庁等)にも報告します。
※なお、上記の各段階を踏まずとも、申請者または事業者による暴言、威迫、脅迫、長時間の不当拘束、人格を否定する発言、又はこれに類する行為が行われ、事務局の業務運営または他の申請者への対応に重大な支障を及ぼすおそれがある場合には、事務局は当該行為を「令和8年度観光振興事業費補助金 <オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはじめとする観光地の面的受入環境整備促進事業>交付規程」第23条第1項第三号に定める「不適当な行為」に該当すると判断し、交付決定の取消し、又は返還命令等の措置を講ずる場合があります。
(5)円滑な制度運営へのご理解とご協力のお願い
オーバーツーリズムの未然防止・抑制をはじめとする観光地の面的受入環境整備促進事業は、全国の申請者・事業者の皆さまのご理解とご協力によって成り立っています。
事務局では、すべての方に公平かつ丁寧な対応を行うよう努めておりますが、制度上の確認や審査には一定のお時間を要する場合がございます。その際には、落ち着いたご対応と建設的なご意見をいただけますと、より迅速かつ的確なご案内につながります。
本事業の円滑な運営のため、皆さまには次の点についてご理解とご協力をお願い申し上げます。
- ご質問やご意見は、事実関係を明確にお伝えください。
- ご要望・苦情の際も、職員や委託スタッフへの暴言・威圧的な発言はお控えください。
- 公平な審査・判断を行うため、すべての案件を同一基準で取り扱っております。
- いただいたご意見やご提案は、今後の制度運営や対応改善に活用いたします。
本ガイドラインは、事務局と皆さまが互いを尊重し、安心して制度を活用できる環境を守るための共通ルールです。今後も、誠実な対話とご協力を通じて、より健全で信頼される制度運営を実現してまいります。
皆さまの引き続きのご理解とご支援をお願い申し上げます。